生成AIは現場で使えるのか?
ここ最近、Web制作業界でも「生成AI」が注目を集めています。
特にWebサイトを自動で作ってくれるツールは、構成のアイディア出しや作業の効率化に使えるのでは?と期待されている分野です。
私自身、フリーランスのWebデザイナーとして日々の制作に追われる中で、AIで少しでも時短や効率化ができるならぜひ取り入れたいという思いがありました。
そこで今回は、Webサイト生成AIとして話題の「Readdy」と「Create」という2つのツールを実際に触ってみました。
🤔「本当に現場で使えるのか?」
🤔「参考レベルなのか、それとも即戦力になり得るのか?」
そんな視点で使用感や出力内容をレビューしていきます。
ReaddyとCreateってどんなAI?
今回試してみたのは、Webサイトの構成やデザインを自動で提案してくれるAIツール「Readdy」と「Create」の2つです。
どちらも「テキスト入力からページを生成できる」という点では共通していますが、アプローチや得意なことには少し違いがありました。
Readdy
Readdyは、簡単なプロンプトを入力するだけでワイヤーフレームに近いページ構成を生成してくれるツールです。
UIはシンプルで使いやすく、トップページやサービス紹介ページの大まかな骨組みを素早く作るのに向いています。
デザインというよりは「構成案作成」に特化している印象で、プレゼン前のたたき台としては便利そうです。

Create
Createは、よりビジュアルに寄った出力ができるAIツールで、テキスト入力から実際のデザインに近いレイアウトを生成してくれます。
配色や画像、タイポグラフィも自動で反映されるため、完成イメージに近いアウトプットが得られるのが特徴。
ただし、細かい調整には不向きで、そのままでは実務投入は難しいというのが第一印象でした。

次の章では、実際に使ってみた感想をもう少し具体的にお話ししていきます。
実際に使ってみた感想は参考にはなるけど即戦力にはまだちょっと…
実際にReaddyとCreateを使ってみたところ、どちらのツールも“使いどころ次第”というのが正直な感想でした。
まず、ページ全体の構成やセクションの並び方といった「レイアウトのたたき台」としては参考になるかもしれません。特にReaddyは情報設計的な視点で「なるほど、こういう構成もありかも」と思えるアウトプットを出してくれました。

※「create」で生成したデザインのプレビュー
一方で、デザインの仕上がりに関してはやはりAI任せでは難しい部分が多いです。
たとえば、フォントサイズや余白、色のコントラストなど、細かい部分の“バランス感覚”が人の手で整える必要があると感じました。
例えばキャッチコピーサイズをまばらにしてアート的にデザインしてもらうようプロンプトを入力しましたが、行間字間文字サイズなど機械的に出力されるだけで、デザインとしてのバランスを取るのはまだ難しいようです。

※「create」で生成したデザインのプレビュー
まとめると、どちらもプロンプトは日本語入力可能で扱いやすく、「アイディア出し」や「ラフ作成」には使える可能性がありそうですが、「プロの仕上がり」には一歩及ばず実践での利用はまだ難しいのではないかというのが正直なところです。
導入はまだ見送り…未来に期待
今回の検証を通して感じたのは、現時点ではどちらのAIツールも「即・実務導入」という段階には至っていないという感じをしました。(プロンプト入力を突き詰めればもう少し使えたかもしれませんが…)
特に、クライアントワークではデザインの完成度やブランドイメージへの配慮が求められるため、AIが自動生成したものをそのまま使うのはまだまだ無理そうです。
今はまだ…という位置づけにとどまりますが、今後の生成精度の向上、プロ向けカスタマイズ機能の充実次第では、実践的な使い方も視野に入ってくると感じています。
まとめ:生成AIは“相棒”になれるかもしれない
今回の検証を通して感じたのは、Webサイト生成AIは現場で即使える“完成品ツール”ではないものの、「補助ツール」としての可能性は十分ある。
私自身が本当に期待しているのは、デザインデータ・画像データからHTML/CSSを自動で生成してくれるようなAIの発展です。
現在のコーディング作業は、比較的ルールベースな部分も多いため、この部分がAIで簡単に処理できるようになれば手間も工数もぐっと削減できると考えています。
そうなれば、コーディングにかかっていた時間を、よりクリエイティブな部分――たとえばユーザー体験の設計や、クライアントの要望に集中することができます。
AIが「単なる自動生成ツール」ではなく、「補助ツール」として寄り添ってくれる日も遠くないと願いながら、今後も生成AIの進化を注視し、自分のスタイルに合った使い方を模索していきたいと思います。